ネパールでマグニチュード7.8の巨大地震、エベレストベースキャンプを雪崩が襲う
ネパール中部で25日に起きたマグニチュード(M)7.8の巨大地震で、ネパール警察は26日、死者が2460人、負傷者が6492人に達したと明らかにした。ロイター通信が伝えた。インドなど近隣国と合わせれば少なくとも2500人が犠牲になったとみられる。世界最高峰エベレスト(8848メートル)のベースキャンプ付近で日本人の男女2人が雪崩に巻き込まれ、ヘリで首都カトマンズの病院に搬送されたが26日に男性の死亡が確認された。女性は札幌市清田区の小幡友子さん(50)で、負傷しているが命に別条ないという。
【専門家が解析】断層のずれ最大4メートル
米地質調査所によると、現地では26日午後0時54分(日本時間同4時9分)ごろにもM6・7の大きな余震が発生。山岳部などは交通網が寸断され孤立している地域もあるとみられ、被害の全容判明には時間がかかりそうだ。
カトマンズでは、多数の家屋が倒壊したため、多くの住民が屋外で一夜を明かした。余震も続き建物の周辺は危険な状態だが、住民らは手作業でがれきの下敷きになった被害者の救出にあたっている。農村部では、震源付近の中部ゴルカ郡などの被害が大きいとみられているが、交通や通信が回復しておらず、被害状況の把握が遅れている。
雪崩があったエベレストでは当時、外国人約400人を含め、1000人以上の登山者が入山していたとみられる。ロイター通信によれば、ベースキャンプ付近ではこれまでに少なくとも17人の遺体が収容され、少なくとも61人の負傷者が出た。他にも多数の行方不明者がいるとみられ、ネパールの観光当局者は「被害状況を推定することすら困難だ。登山者は散らばっており、連絡を取るのはほとんど不可能だ」と語った。
ネパールで4月は登山やトレッキングを楽しむ人でにぎわう季節。同国内には約30万人の外国人観光客が滞在していたと推定されている。多くは被害が大きかったカトマンズや山岳部にいるとみられる。
ロイター通信や中国中央テレビによると、周辺国での死者は、インド66人▽中国チベット自治区20人▽バングラデシュ4人--などとなっている。
